松の盆栽

松浦 貴昌のパーソナルブログ

新米パパの私が意識し続けている3つの秘訣。「夫婦の対話」「感謝」「スキンシップ」

前回のブログ記事が思った以上の反響があり、びっくりするのとともに、自分の体験や学びで、他の人に貢献できるんだなぁと改めて感じたので、今後も育児の記事を書いていきたいと思います。前回の記事→産褥期を明けた今だから言える、プレパパに知っておいてほしいこと - 松の盆栽

 

前回の記事では、すでにパパの人には、「産褥期は遠い昔。関係ないよね」と流された方も多かったと思います。そこで今回は、新米パパの私ですが、意識し続けている3つの秘訣、と題して、夫婦の関係性にプラスに働くと思う私が実践している内容を、パパさんやプレパパさんに向けてシェアしたいと思います。また、結婚生活が約2年という若輩者の記事なので、今回は体験談は少ないですが、その代わりに影響を受けた本などを書いておきますので、何か気付きや学びのきっかけになればと思っています。そして、これからも自分自身が実践していく為の備忘録として、戒めとして書きたいと思います。

 

さて、これまで、夫婦が仲良く幸せに過ごすために、私が意識していることは大きく3つあります。

 

一つは、【夫婦の対話】。

 

もう一つは、【感謝】。

 

最後は、【スキンシップ】です。

 

これを見たら「なんだぁ。」ってなると思いますが、それぞれ、「男女脳とNVC」「快楽順応」「オキシトシン」が大きな鍵を握っていることを始めに書いておきます。(気になるところや聞いたことのないところだけ、読んでもらえればいいと思います)

 

まずは、【夫婦の対話】ですが、これは、結婚する前から大切にしていましたが、とくに重要性が増したのが、産後です。私も産褥期に育児をしている中で、終日一人で赤ちゃんの世話をする日がありました。その時、これまでにない色と柔らかさをしたウンチが出たことがあったのです。(食事中の方ごめんなさい)

 

「赤ちゃんの体調が悪いのかなぁ・・・」「でも、顔色は悪くないし」「寒いのかなぁ・・・」などと悶々と考えましたが、初めてのことはわかりません。ネットで調べては見るものの、実際に赤ちゃんの状態やウンチを見ているのは自分だけなので、不安はなくなりません。その時に、同じ状況を見ながら話せる妻の存在の大切を痛感しました。

 

第一子の初めての育児なので、新米夫婦ではわからないことだらけです。赤ちゃんを一緒に観察しながら、「泣いているのは、お腹すいているからじゃない?」「この前はこれくらい授乳したから、今回は足りていると思うけど」などなど、対話できる時間が本当に大切で、不安を取り除くのに大きく寄与しました。「観察」と「対話」の大切さを実感しています。

 

また、夫婦の対話の時間を大切にすることにより、育児に限らず、お互いのスケジュールについて共有したり、夫婦共通のタスクについても話し合うことが自然とでき、ミスや問題が起こりにくくなりました。

 

ここまで聞いて、「対話ってしていると思うけどなぁ」というパパさんに向けて、さらに意識してみてください、ということで 一つ関連したデータをお見せします。

 

私の友人の吉岡マコさんがやっている「NPO法人マドレボニータ」の「産後白書」にのっているデータですが、「出産後、夫との会話の時間は?」という問いに「増えた」と答えた人はわずか15%です。それに比べて「減った」と答えた人は40%。対話が必要なタイミングに、逆に減ってしまっていると感じているママが多くいます。

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また、「夫との会話の満足度は?」という問いには、「足りない!もっと話したい!」と回答しているママが48%もいます。「量、質ともに満足」はわずか8%です。

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あと、夫婦の対話のコツについても簡単に記載したいと思います。私は過去に少しですが、脳科学の勉強をしたことがあるのですが、男性脳と女性脳で気持ちいいと感じる対話の仕方が違います。これを踏まえて対話しないと、対話をすればするほど、ケンカが増える、なんてことになりかねません。

 

男性の対話の特徴は、「課題解決したくなる」「結論を導きたい」「話の軸を分けて整理したくなる」ということがあります。当然そうでない人もいると思いますが、私はしっかりこのタイプです。

 

女性のほうは、と言うと、「ただ聞いてほしい」「話しに共感してほしい」「話が飛んでも気にしない」ということがあると思います。ですから、男性が、「今、話が飛んだよ」「まず、言いたいことを先に言って」「(話を遮って)ようするに、こうするから悪いんだよ。こうするのが正解だよ」などと言おうものなら・・・ドカーン!ただでさえ育児で疲れていて、話したいたくさんある中で、このやりとりをしてしまうと、地雷を踏んでしまうかもしれません。

 

できる限り、【ママの話したいように、話したいだけ、共感しながら聴く】ことが、パパができる対話のコツと思います。

 

そして、もう一つ、意識していることは、 何か夫婦で過ごしているとき「違和感を感じたらすぐに言う」ということです。私は、何か違和感や納得いかないなどのことがあるとすぐに言うタイプなのですが、妻は溜め込めて我慢できてしまうタイプなのですが、そうすると結局は後から爆発してしまう可能性を高めてしまいます。それだと解決を難しくしてしまうので、私は「何か違和感を感じたら、原因や言葉にできなくてもいいから、『違和感ある』と言ってね」と伝えています。「問題が大きくなる前の小さい時に解決する」。これも効果が高いと感じています。

 

あと、夫婦はお互いに「自分が気持ちいいと思うコミュニケーション」をしています。これが落とし穴で、自分が気持ちいいコミュニケーションは、「相手が気持ちいいとは限らない」ということです。これがきっかけで、私たち夫婦も数々のケンカをしました。しかし、お互いのコミュニケーションの癖や理由がわかれば、すっきりと仲直りできますし、同じケンカは起こりにくくなります。「夫婦はわかりあえない」で終わらせずに、粘り強く探っていくことが大切と思います。この辺りに興味ある方は、男女脳の違いが書かれた本や、深く対話の勉強されたい方には「NVC(非暴力コミュニケーション)」というの本がおすすめです。

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長くなりましたが、一つ目の夫婦円満の秘訣は【夫婦の対話】でした。

 

そして、二つめは、【感謝】です。これは、育児中に限らず、夫婦が生涯、大切にしたほうがいいことは言わずもがなですね。

 

シンプルに言えば、「感謝を伝える」ことです。

「いつも子どもを見てくれてありがとう」「お料理してくれてありがとう」「体調を気にかけてくれてありがとう」などなど

ママに伝えてますでしょうか?

 

照れくさいというパパは多いとは思いますが、ママが心から聞きたい言葉は「ありがとう」ではないでしょうか。(実際にはママさんに聞いてみると良いと思います)照れくさくとも、ちょっと頑張ってでも、伝えたほうがいい言葉だと思っています。(私も始めは照れくさい時もありましたが、慣れると自然になります)

 

視点を変えて、感謝の気持ちが出にくい「心の状態」とは、どういう状態でしょうか?自分に余裕がなかったり、ストレスが溜まっていたり。この辺りはイメージしやすいと思います。反対にイメージしにくいですが、とても重要なものがあると思っています。

 

それは、「当たり前と思わない」ということです。

ママがやっている行動や言動を「当たり前」と思ったら、感謝は生まれてきません。逆に「当たり前ではない」と思ったら、どんなことでも感謝の気持ちが出てきます。

 

ママが、子育てして、料理して、掃除して、洗濯して畳んで、買い物して、等々が、当たり前と思っていませんか?

と同時に、仕事をしているパパさんは、「仕事いつもご苦労様」「ありがとう」とママに言われたら嬉しいですよね。

 

夫婦ともにやっていることは「当たり前ではない」。

そう思うことで、自然と感謝の言葉が出てくるようになってくると思います。

 

また、感謝の効用は、言われた側のママだけのものではありません。感謝をするパパ側にも恩恵はたくさんあるのです。心理学では、感謝をよく示す人ほど、落ち込んだり、不安になったり、孤独を感じたり、嫉妬したり、ノイローゼになりにくいことがわかっています。

 

そして、もう一つ、夫婦が仲睦まじくする秘訣で「感謝」を出した一番の理由は、感謝には「快楽順応」を防ぐ効果があるからです。「快楽順応」という言葉に出会ったのは、2012年。「幸せ」をテーマにした「happy -しあわせを探すあなたへ」という映画を観て、カリフォルニア大学の心理学教授の「ソニア・リュボミアスキー」さんのことを知りました。そして、彼女の著書「幸せがずっと続く12の行動習慣」という本を読み「快楽順応」を知ったのです。せっかくなので、そのページをそのまま引用します。

 

人間は知覚の変化や生理学的な変化に、驚くほどすばやく慣れてしまいます。たとえば、厳しい寒さの戸外から室内に入ったとき、パチパチ音をたてて燃える暖炉の火のぬくもりは、最初のうち天国のように思えるでしょう。でも、たちまちそれに慣れてしまい、暑すぎるとさえ感じるようになるかもしれません。このような経験は、「生理的適応」や「感覚順応」と呼ばれています。

 

「人間は慣れてしまうもの」とはいいましたが、同じ現象でも、転勤や結婚、転職など快楽にともなった変化が現れてると、前よりも幸せになれるかもしれません。しかし、じつはその効果もごく短い間だけです。

 

<中略>

 15年にわたって毎年、国民や移民、外国人も含めて西ドイツと東ドイツに住む2万5000人の人々を調べてきた画期的な研究があります。その研究によると、そのうち1761人が結婚し、結婚生活が続いています。

 

この多くのデータを用いて科学者たちが証明したのは、「残念ながら、結婚が幸福に与える効果は一時的なものにすぎない」ということでした。結婚後、夫婦が前よりも幸福に感じる期間は約2年で、そのあとは通常の幸福度、つまり彼らの設定値へ戻っていくだけです。

 

いかがでしょうか?私は読んだ時に目からウロコがぽろぽろと落ちました。

つまり、私たちは、意識していないと「辛いこと」、「幸せなこと」のどちらにも慣れてしまい、気がついたらそれが普通、当たり前の状態になってしまうのです。

その「快楽順応」を防ぎ、抗うのが「感謝」なのです。

 

そして、ここで一つ、私が妻に感謝する機会としてつくった仕組みをご紹介します。それは「毎月の結婚記念日」です。私たち夫婦は、一ヶ月に一度、お互いに感謝しあう機会として、また二人の時間を大切にする意味でも毎月、結婚した日と同じ日を記念日として、その日は外でお食事をしたり、妻が行きたい場所に行ったりしています。

 

参考までに、これら「幸福」に関する学問は「ポジティブ心理学」という分野です。その入門編としても「幸せがずっと続く12の行動習慣」はおすすめです。

 

幸せがずっと続く12の行動習慣

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ようやく最後、【スキンシップ】です。

 

スキンシップ。これまた大切なことですが、日本人には少し馴染みがないかもしれません。

 

相手がスキンシップを好きか否かも大切なのですが、それは今回は脇に置いておきます。

スキンシップは、実は脳科学の観点からもとても大切な行為なのです。スキンシップをすると、脳からホルモン物質の「オキシトシン」が出てきます。これは別名「愛のホルモン」とも言われていて、「愛情」や「信頼」といった感情を呼び起こし、「夫婦や親子を強く結びつける」効果があります。オキシトシンは、分娩や授乳の時にも多く出ますが、キスやハグでも出てきます。

 

私が「オキシトシン」を知ったのは、2014年6月15日 放送のNHK「サイエンスZERO」です。番組の中で、オキシトシンを吸った男女が、ケンカをしても素早く仲直りしていました。さらに、なんとパートナーの「浮気防止」にまで効果あるのです。これは本能の強い男性に朗報ではないでしょうか(笑)。番組の実験では、結婚している男性が、知らない女性と向き合って立ち、女性が徐々に顔を近づけてくる中で、違和感がある距離になったら知らせる、というものでした。

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その結果、オキシトシンを吸った男性は、吸っていない男性に比べて、女性との距離を広くとっていたのです。つまり、信頼関係があるパートナーと、部外者を見分ける作用がオキシトシンにはあるということです。

 

また、オキシトシンには、恐怖や不安を取り除き、ストレスを制御しリラックスする作用がありますし、育児中なら母乳の出も良くなります。いいことだらけのこの物質。スキンシップから分泌されるので、ぜひ意識されてみてはいかがでしょうか。

 

Youtubeを探してみたら、そのNHKの映像(約30分)がありましたので、ぜひご覧ください。


NHK サイエンス ZERO 「心と体を支配する!神経の物質ホルモン オキシトシン」 - YouTube

 

さて、夫婦が仲良く幸せに過ごすために、私が意識している3つの秘訣。いかがでしたでしょうか。

 

「夫婦の対話」「感謝」「スキンシップ」

 

私もそれぞれ「できている」とは到底言えず、今後も長い目で実践し続ける中で、夫婦仲睦まじく過ごしていけたらいいなぁと思っています。また、私の思う仲睦まじい夫婦は決してケンカしない夫婦ではなく、ケンカはあってもそれを糧にお互いのことをよく理解し、より良く共に成長していける夫婦です。後は、「笑い」「ユーモア」は大切だなぁとも。

 

最後に、私が子どもの時から憧れている夫婦像があります。

それは、「チャーミーグリーン」のCMです。

 

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描かれているのは、お年寄りになっても、手を繋ぎ続ける仲良い夫婦です。

そんな夫婦になれたらと、先は長いですが、自然体で頑張っていきたいと思います。

 

そういえば、手を繋ぐのもオキシトシンが出ますね。「夫婦の仲が良いから、手を繋ぐ」ではなく、「手を繋ぐから、夫婦の仲が良い」とも言えるかもしれません。

 

長々と書いてきましたが、一つでもパパさんやプレパパさんの気づきや学びになれば、幸いです。

ではでは~。

産褥期を明けた今だから言える、プレパパに知っておいてほしいこと

出産から6~8週間といわれる産褥期がようやく明けました。その間に、1ヶ月検診やお宮参りも無事終わり、子どももすくすくと育ってくれています。本当に有難いことですし、仕事に家庭にと周りの方々にも親身にサポートいただき、改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 

そして、これから書くことは、プレパパに向けてです。産褥期を明けた今だから言える、プレパパに知っておいてほしいことと、産前・産後の体験のシェアをしたいと思います。※ちょっと長いです。

 

今思えば、この「産褥期」にはかなりのおもいがありました。それはなぜかと言うと、きっかけは、まだ妻とお付き合いをしていた頃、NHKの朝の番組「あさイチ」で、「産後クライシス」の特集を観たことでした。その番組で描かれていたのは、とてもショッキングな事実でした。

 

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妻の、夫への愛情が一番高い時は「結婚直後」で、出産直後までに激減。その後、何も手当しなければ、そのまま愛情は低迷し続けるのです。また、この出産直後の対応が、熟年離婚を引き起こしていることもあるのです。これはショックなデータでした。仲睦まじく愛情溢れる家庭を思い描いていた私としては、鈍器で殴られるほどの衝撃でした。ただ、番組では、希望も話されていました。それは、出産直後の夫の対応次第では、妻の愛情は回復に向かうのです。この図でいうところの「回復グループ」です。ただでさえ、愛情が減ってしまうのに「低迷グループ」はありえない。なんとしても回復のほうに行かなくては。と、心に誓ったのが、結婚前のことです。

 

それから、いろいろ調べ始めました。妊娠、出産、産褥期など。そこでわかったことは、「女性は産前、産後は半端なく大変」ということです。妊娠中はつわりがあり、臨月に近づくほど、お腹も重くなり、内臓は圧迫され眠りも浅くなり、夜中に何度も目を覚ますほど。

 

そして、体力消耗する壮絶な出産を終えた後は、全治1~2ヶ月の状態。ホルモンバランスは崩れ、胎盤という内臓が剥がれ、骨盤はぐらぐら状態。そんなボロボロの状態の中で、産まれたばかりの赤ちゃんに対して1~2時間おきに授乳をし、24時間体制に。プラス家事をやるなんてことはありえないし、これは、産後うつにもなるわ・・・と思ったのです。でも、実際はかなりのお母さんがこれを実際にやっているのです。世のお母さんには本当に頭が下がる思いです。

 

そんなこんなで、本を読むのとともに、周りの夫婦にヒヤリングしてみたら、やはり夫のサポートの問題が見えてきました。そして、私は最も意識すべき、産後の指針になることを見つけました。それは、「妻のサポートをする」ということです。

 

お母さんは、授乳などの赤ちゃんのお世話で手一杯になります。そんな中では、お買い物にも行けず、自分のご飯も作れない。「おにぎりを片手に、赤ちゃんの世話をしていた」、なんて話しも聞きました。つまり、お母さんは、赤ちゃんのお世話はできても、自分のお世話はできないのです。そこで、夫の出番なのです。夫なら、授乳以外のことなら全てできるわけですから。

 

その時、私が決めたことは、「産褥期の家事は自分が全てやろう」ということです。料理、洗濯、掃除、買い物などです。(この時は決めただけで、実際の産褥期では妻もかなりやっています)

 

その中でも一番大切なのは、「料理」だと思いました。お母さんが産褥期に食べたものが、本人と赤ちゃんの栄養になるからです。そこで、私は結婚前から、マクロビ料理教室に通うようにしました。中美恵先生がやっている「Mie'sRecipeクッキングサロン」に1年ほど。

http://www.miesrecipe.jp/

 

この選択は本当に良かったです。レッスンしている間に、食に興味が出て、栽培方法や調味料にも意識がむくようになり、私もどんどん健康になっていきました。そして、料理を少しずつ練習していって、ある程度うまくなっている状態での産褥期だったのも良かったです。(ただ、実際には厳密にマクロビ料理をやっていたわけではなく、出汁をとったり、調理の仕方など学んだ基礎を応用している感じです)

 

そして、いよいよ結婚し、妊娠、出産となるわけですが、意識し続けたのはやはり「妻のサポート」です。産褥期に入り、上記の予定していた家事の他に、ミルクと沐浴、赤ちゃんの爪切りなど、妻でなくてもいいものは極力自分がやるようにしました。因みに、私たち夫婦は、母乳とミルクの混合での育児です。

 

そこで、「作戦」も大切になるのですが、その中で意識したのは「時間」です。具体的には、「妻の寝る時間」と「妻の自分の時間」、そして「夫婦の対話の時間」です。

 

妻は授乳をするので、睡眠が細切れでしか取れません。また、睡眠が取れないと体力も落ち、ストレスも溜まります。そして、自分の時間がなければ、ストレスも解消できません。なので、極力妻が寝られる時間が増えるように考えました。

 

私たちの赤ちゃんは当初、平均して2~3時間おきに泣き、時に1時間以上ギャン泣きすることもありました。そうすると細切れで寝るのも1時間とかになってしまいます。そこで、作戦としては、夫婦一緒の寝室では寝ないことにして、寝る部屋は別々にしました。共倒れにならないようにです。

 

例えば、私がどんな行動を取っていたかをお話しすると、22時くらいにギャン泣きが始まった時は、私が赤ちゃんを抱き、泣き声が聞こえないよう洗面所まで行き、妻には早く寝てもらいました。そして、あやして寝かしつけたら、24時くらい。そっと寝ている妻の横に赤ちゃんを置いてきます。

 

その後、私は2時くらいに別室で寝ます。24時頃に寝たあかちゃんが再び起きて泣き出すのが、3時ごろ。そうすると、妻はこの間、22時~3時までで5時間くらいはまとまって寝られます。

私も2時~7時くらいまでまとまった睡眠を取らせてもらい、その後、朝食と赤ちゃんの世話をします。その間は、妻は可能であれば、仮眠を取ってもらうようにします。そうすると、お互いに大きな負荷がかかることなく産褥期を越えていけます。

 

ここで夫が意識しておくとよいポイントは、「夫が赤ちゃんの世話をしている間は、妻は寝られるし、自分の時間も取れる」ということです。実際に私も、冷凍した搾乳ミルクと粉ミルクを使い分けながら、妻には極力寝てもらい、様子を見ながら「美容院行ったら?」「買い物や散歩行ったら?」とすすめていました。この「寝たら?」「行ったら?」という声がけも大切だと思います。

 

そして、もう一つ大切にしたのが「夫婦の対話の時間」です。お互い、第一子なので、育児は初めて同士。不安なことも、わからないこともたくさん出てきます。それを、都度都度お互いの意見を出し合い、話し合ってきました。これもお互いにとって、精神を安定させる効果と、育児のノウハウや学びも2倍に溜まっていく大切な時間でした。

 

因みにこうやって書いていると育休を取っているように聞こえるかもしれませんが、実際は夫婦とも育休ではなく、変則の時短のような感じです。私も妻も、周りにはお願いし、最大限に家で仕事ができるように調整し、どうしてもクライアント先など行かなければならないアポだけ、出かけるようにしました。それ以外は家で仕事をし、Skypeで会議したりしています。これも、自分が代表という調整できる立場にいることもありますが、周りのサポートがあってのことですし、準備や心構えがあれば、ある程度は可能ではないかと思っています。

 

そこで、これから出産を控えているプレパパには、半年以上前からの仕事の調整と、「育休」を強く、強く、おすすめします。難しかったらせめて「時短勤務」に。 今回、私も産褥期に育児をしてみて、本当に大変だと実感しました。この大変な時期にほぼ一人で赤ちゃんのお世話をするのは、奇跡だとも思いました。未だ男性の育休取得率が2%程度であることを考えるとその奇跡だらけで、「え?この大変さをどのお母さんも経験しているの?」とひいたくらいです。

 

そこで、押しつけがましいのは重々承知しておりますが、あえてまたプレパパの方に言わせてください。「男性は本当に育休を取ったほうがいいです。」(とはいえ、どうしても取れない方もいますし、そういう価値観ではない人は読み飛ばしてください)

 

赤ちゃんの成長は早く、瞬間瞬間が本当に大切です。育児をしていると、たくさんの変化の瞬間に立ち会うことができます。そして、産まれてから一緒に育児をしていれば、赤ちゃんのことは妻とほぼ同じ情報を持っています。そうなれば、妻からも安心して赤ちゃんを夫に預けることができ、妻は別のことに集中することもできます。実際に、妻が出張で、私が一晩世話をして、その後、赤ちゃんを連れて妻の出張先まで新幹線に乗って行く、なんてこともありました。

 

そして、もう一つ育休を取ったほうがいい理由としては、産後6ヶ月の赤ちゃんへのスキンシップやコミュニケーションが人格形成に大きく関係しているというのです。マウスの実験でも、母マウスが接触している子マウスほど勇敢になり生存確率が高いそうです。その逆に、母マウスの接触の少ないマウスは臆病になってしまうようです。また、心理学では父親が育児に参加している子どものほうが脳の発達もよく思考力が高い傾向があるようです。(参照:赤ちゃんはなぜ父親に似るのか―育児のサイエンス (NHK出版新書 382))う~む、、父親育児の最重要ポイントが最初に来るのかぁ、と思ったわけです。

 

ということで、長くなってしまいましたが、幸せな家庭生活を長く続けようと思ったら、妊娠から出産後の夫は「妻のサポート」に全力を注いだほうがよく、子どもの人生にも大きく作用する産褥期は「育休」を取ったほうがいい。以上が、私の現時点での経験のシェアとプレパパへの強い提案でした。まずは、産後クライシスを読んで、適度にびびってください(笑)

 

【追記】2016/02/15

DODAのメディア「"未来を変える"プロジェクト」にインタビューしていただきました。現在、息子は10ヶ月になり、つかまり立ちをし、日々すくすく成長しています。
パパとしてはまだまだ新米なので、育児の途中経過としてご笑覧いただければ嬉しいです(^^)

mirai.doda.jp

 

(009)産後クライシス (ポプラ新書)

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【明日5月26日から説明会!】高校生・大学生・専門学生・若者の皆さんへの3ヶ月のチャレンジ!

【明日26日から説明会!】高校生・大学生・専門学生・若者の皆さんへの3ヶ月のチャレンジ!

 

「音楽×起業×社会貢献」の実践的な教育プログラム「ブラストビート」の説明会が、5月26日(火)から始まります。説明会会場は、渋谷、新宿、池袋、横浜。まずは説明会に遊びに来て下さい~♪

 

blastbeat-e.jimdo.com

 

プログラム内容をシンプルに言うと、会社をつくり、音楽イベントをプロデュース、利益の25%以上をNPOなどの社会貢献活動に寄付をするプログラムです。

 

また、メンター制度があり、学生メンター(プログラム経験者)と社会人メンターが一丸となって、高校生や大学生の会社をサポートしていきます。

 

と、文字よりも伝わりやすい映像(約8分)がありますのでぜひご覧ください。

(以前、テレビで特集していただいた時のものです。)

youtu.be

 

今期は6月21日(日)から密度の濃い3ヶ月がスタートします。

たくさんのおもしろい社会人や同年代との、本気の経験が成長確度をあげます。

 

「さぁ、ワクワクしながら成長しよう!」

http://blastbeat-e.jimdo.com/

 

フィリピン「ミンダナオ子ども図書館」の松居友さんに感じるご縁

フィリピンのミンダナオ島。この島は、40年以上も内戦が続いていて、これまでに死者が17万人、避難民は200万人以上とも言われています。その火だねは、イスラム自治区に眠る石油や天然資源。また、イスラム教徒とキリスト教徒の間の武力紛争でもあり、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線が、衝突と和平交渉をし続けています。

 

そんなところで、「ミンダナオ子ども図書館」という施設を立ち上げ、イスラム教徒もキリスト教徒も民族も関係なく、戦闘で親を亡くした子などを120人も受け入れて育てている松居友さん。また、これまでミンダナオ島の200以上の地域を回って、現地の学生と絵本の読み聞かせの活動を続けています。

 

そんな松居友さんは、元出版社の出身で、絵本作家でもあります。2001年からミンダナオ島に移住して、その後、現地の人々の信頼を獲得し、マノボ族の首長にまでなります。

 

ということを、2015年4月12日のテレビ東京「池上彰のJAPANプロジェクト」でドキュメント番組などで知り、とても感動しました。

以下からその映像が観られます。


池上彰のJAPANプロジェクト~世界の“命の現場”で奮闘する日本人~ 4月12日[720p] - YouTube

↓ミンダナオ子ども図書館日記へのリンク

ミンダナオ子ども図書館日記:松居友


今回の番組を観て私は勝手にご縁を感じたのですが、その理由が2つあります。一つは、私がカンボジアの子ども達に絵本の読み聞かせをして、絵本を配る活動をしていたこと。2007年~2009年までカンボジアに年に数回行って活動しました。これは私のNPOや教育などの活動のきっかけになったものです。そして、もう一つは、2013年に五井平和財団の「五井平和賞」で来日したセバスチャーノ・ダンブラ神父にお会いしたことです。ダンブラ神父は1970年代、カトリック・ミラノ外国宣教会によりミンダナオ島に派遣され、30年以上も双方の間に入り、対話による平和解決に尽力されてきています。

↓2013年度「五井平和賞」シルシラ・ダイアログ・ムーブメント

http://www.goipeace.or.jp/japanese/ho/65.html

↓セバスチャーノ・ダンブラ神父のスピーチ(英語)も観ることができます。

セバスチャーノ・ダンブラ神父のスピーチ

 

ということで、私は今後、ミンダナオ島にも行ってみたいですが、松居友さんが来日の際に講演に行けたらと思っています。

 

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全ては「陰陽」。右あっての左。ティク・ナット・ハン氏の番組を観て思ったこと。

NHKでベトナム人禅僧のティク・ナット・ハンさんの番組がやっていたので、第一回~第二回を観て感じたことを書きます。

こころの時代~宗教・人生~/宗教の時間 - NHK

 

ティク・ナット・ハンさんは、最近googleなどの企業の研修でも有名になり、よく聞くようになった「マインドフルネス(今ここに存在する自分に気づく)」を実践され、広げてこられた方です。

 

以下は、私が番組を観て思ったことです。

(勝手な自分の解釈から話を展開しているので私の考えとして読んでください)

 

「平和をつくるためにどうしたらいいか?」

 

外に平和を求めていては、いつまで経っても平和は訪れません。自分のなか、内側にこそ、平和が必要なのです。

だけれども、私たちは、何か苦しい、悲しいと思ったときに、外に理由を求めて、解決しよう、安心しようとします。しかし、それは一時的な解決でしかなく、心は落ち着きを取り戻すかもしれませんが、また忘れた頃に同じような事が起こり、感情がよみがえってきます。私たちはこの繰り返しをし続けているのかもしれません。

 

その繰り返しを終わらせようと思ったら、外に理由を探すのではなく、自分の内に目を向ける必要があります。なぜなら、その感情を生み出しているのは、他人ではなく自分だから。

 

では、目を向けるとはどういうことか?

「気づく」ことです。

これが本当に大切なことで、と同時にとても難しいことと思います。

 

私たちは、怒りなどの感情が出てきた時に、自分の感情に気づくことができていないことが多いと思います。感情にとらわれて、そのまま言葉や態度に表し怒ってしまうことが多いのではないでしょうか。そこで、出てきそうな感情にふっと手を挟み「気づく」。「ああ、私はこんな感情があるだなぁ」と。この手を挟みこむ感覚、間をとり感情を掴む感じがやりやすくなるのが、瞑想だと私は思っています。

 

そして、気づいたら、次は「味わう」。すぐに思考に走らず、その生まれた感情そのものを味わう。味わう先に「手放す」ことが待っていると思いますが、私は「味わう」までいっていたら、「手放す」ことはそれ自体を手放して、一旦は味わうまでで良いと思っています。いずれ、時が来たら勝手に手放されるものだと思いますので。

 

この一連の流れを、ティク・ナット・ハン氏は、「怒りの炎を抱きしめる」と表現されていたのだと思います。うまい表現だなぁと思ったのと、この表現を聞いて想起したのが、「気づくき、味わう」という流れです。怒りの炎にまず気づく。そして、そこから逃げるではなく、抱きしめる。味わう。そうすると怒りの炎は慈悲の心へと変化するのだと思います。

 

そして、もう一つ、「右あっての左」。

「右」は単独では右でいられません。「左」があるから「右」があるのです。

 

私たちは、ともすれば自分の意見やおもいに共感してくれる人を好み、違う意見やおもいの人を排除しようとしてしまいます。例えば、右翼、左翼、タカ派、ハト派などの対立構造を作ってそれぞれが一方を目の敵にしていることが多いと思います。

ですが、右あっての左」なんです。

片方だけでも成り立たない。つまり両方あっていいし、あるものだ、ということになります。消そう、排除しようとするのではなく、違いを受けとめあうこと。ここに平和のヒントが隠されていると思っています。

 

陰陽五行の世界にも、「陰」と「陽」とあり、どちらも必要であるとされています。

「良い」「悪い」と対立構造にしないで、両方あっていいじゃない、と認めつつ、違いを明らかにしていく。その上で、選択と意思決定を共にしていくことが平和に繋がると改めて思いました。

 

以下はシッタカブッタという本からとりましたが、陰陽、両方あっていいし、あるものだ、ということがわかりやすいと思います。

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ということで、上記に限らずティク・ナット・ハン氏の話にたくさんインスパイアーされたので、映像を探したらYoutubeの映像を発見しました。また後ほどゆっくりと観たいと思います。

 


ティク・ナット・ハン、&#39;03年リトリート1日目(1/11)Thich Nhat Hanh - YouTube

 

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2015年春、ブログ始めます。

2015年春、ブログ始めます。

 

以前書いていたブログも、かなり長い間更新していなかったのですが、第一子も生まれたこの2015年春から心機一転ブログを新しく始めようと思っています。

 

とは言え、書くことは苦手なほうで、無精でなかなか進まないかもしれませんが、そんな自分とも付き合いながら、ゆっくりじっくりやっていきたいと思います。

 

たくさんの情報が溢れる世の中ですから、このブログを見てくれる人へ価値を届けることは難しいことと思っています。ですので、その価値は意識しつつも、自分の棚卸しや備忘録、自分の学びや成長に繋がることを大切にしながら、細く長くやってきけたらと思っております。

 

あと、ブログのタイトルの「松の盆栽」というネーミングですが、私が盆栽や植物が好きなのと、私の小さい頃のあだ名が「まつ」だったこともあり、「松の盆栽」となりました。

 

何か、盆栽を愛でるようなブログにできたらと思っています。

どうぞ宜しくお願いいたします。