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松の盆栽

松浦 貴昌のパーソナルブログ

幸せと健康の秘訣は「人とのつながり」 そして「自分とのつながり」

こんなことあった事はありませんか?

 

何か問題が起ったとき、その現象や事象を解決しようと一生懸命になる。早く解決したくて焦る。しかし、なかなか解決されない・・・。

 

しかし、その問題に注目するのではなく、関係性をつなぎ直すことに時間を使ったら、あっという間に問題が解決してしまった。

 

これは、大きな示唆のある話しだと思っています。

夫婦でも、仕事でも、地域でも、問題の多くが「関係性」や「つながり」に原因の発端があると思っています。

 

今回はその「人との関係性」「つながり」について、深めていきたいと思います。

 

人類は「つながり」で生きながらえ、そして進化した

私たちの人類の祖先であるホモサピエンスが、生き延びてきた理由。それは、「つながり」であり、「信頼関係」の中で協力してあってきたからこそ、生き延びてこられました。

 

それは、人間の進化の歴史とも言えます。

「進化人類学における社会脳仮説では、人間の脳が現状のように大きく進化したのは、他者との関係を考慮・管理するためだと考えられている」そう、人間の脳が大きく成長したのは、他の動物よりも利口だったからではなく、ほかの人間の仲間たちと協力し、チームを組むためだったということだ

リッチ・カールガード他(2016)『超チーム力』p.85 

 

ここで面白い研究をご紹介します。

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なんと78年前の1938年から今も続いている、アメリカの「ハーバード成人発達研究

」というものです。この研究は、724人の人生そのものを追跡調査し、「健康で幸せな人生を送るための秘訣」を紐解いたものです。

 

4代目の研究者のロバート・ウォールディンガー教授がTEDx(以下に約12分の映像があります)で語っていますが、その結論は、「身近な人たちとの人間関係の質」が健康や寿命にも、幸せ感にも、脳の老化にも影響を及ぼしているということです。

 

この人間関係の質は、喧嘩をしないことではなく、いざという時に頼れることが大切とのことです。逆に言えば、孤独感は害を及ぼし最も良くないということになり、人は集団の中でも孤独を感じてしまうので、注意が必要になります。

 

ここで一つ思い出したのですが、あるテレビの取材で、ホームレスになった人に、なってしまった原因を聞いたところ、多くのホームレスが家族や親戚、友人がいなかったわけではなく、「助けて」と頼ることができなかった、ということがわかったのです。まさしく大切なのは、関係性の質ですね。

 

ロバート・ウォールディンガー教授は、関係性を良くする秘訣もNHKの番組の中で語っており、「柔軟性を持ち、他人の考えを尊重できること」と言っています。つまり、心の器を拡げて、他者を受容することなのだと思います。これが一番難しいですよね。このことは後半に少し触れたいと思います。

 

www.ted.com

 

さて、この「つながり」の研究について、日本人で有名な方がいます。書籍「友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法」の著者で予防医学研究者の石川善樹さんです。

 

石川さんは、TEDxUTokyo2012の「ほんとうに寿命をのばすのは?!」という講演の中で、「つながりの効果」について語っています。

 

まずはこのデータを観てください。

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ご覧の通り、「つながり」というのは、酒やタバコ、運動や肥満など以上に、健康に影響するがわかったのです。

 

あと、「つながり」は危機の時ほどよくわかります。例えば、入院した時。

入院中にサポートしてくれる人がどれだけいるかで死亡率が大きく違うのです。

 

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心筋梗塞で入院した人の中で、入院中にサポートしてくれた人が誰ひとりいなかった場合の6ヶ月以内の死亡率は69%でした。一方、サポートしてくれる人が2人以上いる人は26%まで死亡率が下がりました。

 

石川さんは、繋がりの秘訣は「人を肯定すること」と言っています。これも先ほどの「心の器を拡げる」ところに近い話だと思います。

 

以下に、石川さんの講演映像(約12分)と書籍をご紹介しておきます。

tedxutokyo.com 

友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法

友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法

 

 

さて、その他にも「つながり」について研究した結果を記載しておきます。

 

30万人以上の患者を対象とした最近のある研究では、社会交流が不充分だと答えた患者の死亡リスクが、充分な社会交流があると答えた患者より50%も高いことがわかった。死亡率を引き上げる要因は、孤独がもたらす悪い影響だという

リッチ・カールガード他(2016)『超チーム力』p.101

 

ウィルコックスは、アメリカで大切とされる“徹底した個人主義”の神話を疑問視するべきだと警鐘を鳴らした。周囲とのつながりがない人間は、自殺する可能性がきわめて高くなる、と。

 くわえて、生理学や行動学の研究、アンケート調査などによると、孤独な若者の睡眠の質が概して低いことがわかった。また、年齢にかかわらず、孤独な人間は免疫反応に問題を持つ傾向が強く、ウイルス性呼吸器感染症にかかる確率が高いという。

 リッチ・カールガード他(2016)『超チーム力』p.102

 

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ということで、「人との関係性」「つながり」の大切さについては、理解していただけたのではないかと思います。 

 

そこで、現在の私たち「日本人のつながり」はどうなっているのかを少し見てみたいと思います。

 

孤立した日本人 その処方箋とは?

日本では近年、核家族化、地域社会とのつながりの希薄化などが問題視されています。それは各国と比べたデータでも表れています。

 

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社会的孤立が高い日本人。

それは、子ども達の世界でも深刻化しています。

 

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この深刻な日本の現状の中ですが、まずは自分の半径、身近な人とのつながりを見つめ直すのがいいのではないかと思っています。しかし、先ほども書いたように、関係性をより良くするためには、他者を受容し、他者に貢献するために、心の器を拡げる必要があります。(ここからはかなり私の持論が入ってきます)

 

では、どうすればその心の器を拡げることができるのか?

 

そのポイントは、「自分自身を受容し、自分自身とつながる」ことだと思います。

 

自分と深くつながれて、初めて、他者と深くつながることができるのだと思います。

 

もう少し噛み砕くと、つながりを創るためには、他者を理解し受容することが必要になります。それを別の言い方をするなら、「自分のことを理解し、受容しているレベルでしか、他者を理解し、受容することはできない」ということだと思います。

 

私も、少しずつですが、このことを実践してきています。

何年か前の私は、存在価値の怖れから、自分の至らない点や欠点を卑下し、なんとか直そうと努力してきました。その結果、当時、他者の欠点などを見つけた時に受け入れることができず、「貴方も直すべきだ」と厳しくあたる自分がいました。

 

それが、今では、自分の凸凹もそのまま受け入れることができて、他者の凸凹も受け入れることができるようになってきています。「私は私。これでいいのだ~」とバカボンのパパばりに楽天的に受容しています。そうなることで、日々が楽しく、様々な人間関係がよくなりました。(これは怠惰になることとは違うので念のため)

 

最後にまとめますと、他者との関係性・つながりは、健康で幸せに生きる上でとっっっても大切で、関係性を深めるためには、心の器を拡げる必要があり、そのためには、自分と繋がり、自分を理解し、自分を受容することが必要になるということです。

 

 

ちなみに、蛇足ですが、つながりを邪魔し、むしろ分断や対立を起こしやすくしてしまうものに、「不安や怖れ」「偏見や思い込み」などがあります。この辺りも別の機会に書きたいと思います。 

 

蛇足2ですが、上記の領域については、いくつかのコミュニケーションのテクノロジーがあります。その一つが、以前ブログ記事にも書いた「U理論」です。また、仏教などの教えもかなり活用できると思います。

matsuura.hateblo.jp

それ以外にも、とてもオススメの「NVC(非暴力コミュニケーション)」などありますが、それもまた別の機会に書きたいと思います。

 

ではでは~。

 

 

PS.

今回は個人と他者との関係性などについて書きましたが、チームや組織の関係性についても先日ブログ記事を書いているので、よかったら合わせて読んでもらえるといいかもしれません。

matsuura.hateblo.jp