松の盆栽

松浦 貴昌のパーソナルブログ

新米パパの私が意識し続けている3つの秘訣。「夫婦の対話」「感謝」「スキンシップ」

前回のブログ記事が思った以上の反響があり、びっくりするのとともに、自分の体験や学びで、他の人に貢献できるんだなぁと改めて感じたので、今後も育児の記事を書いていきたいと思います。前回の記事→産褥期を明けた今だから言える、プレパパに知っておいてほしいこと - 松の盆栽

 

前回の記事では、すでにパパの人には、「産褥期は遠い昔。関係ないよね」と流された方も多かったと思います。そこで今回は、新米パパの私ですが、意識し続けている3つの秘訣、と題して、夫婦の関係性にプラスに働くと思う私が実践している内容を、パパさんやプレパパさんに向けてシェアしたいと思います。また、結婚生活が約2年という若輩者の記事なので、今回は体験談は少ないですが、その代わりに影響を受けた本などを書いておきますので、何か気付きや学びのきっかけになればと思っています。そして、これからも自分自身が実践していく為の備忘録として、戒めとして書きたいと思います。

 

さて、これまで、夫婦が仲良く幸せに過ごすために、私が意識していることは大きく3つあります。

 

一つは、【夫婦の対話】。

 

もう一つは、【感謝】。

 

最後は、【スキンシップ】です。

 

これを見たら「なんだぁ。」ってなると思いますが、それぞれ、「男女脳とNVC」「快楽順応」「オキシトシン」が大きな鍵を握っていることを始めに書いておきます。(気になるところや聞いたことのないところだけ、読んでもらえればいいと思います)

 

まずは、【夫婦の対話】ですが、これは、結婚する前から大切にしていましたが、とくに重要性が増したのが、産後です。私も産褥期に育児をしている中で、終日一人で赤ちゃんの世話をする日がありました。その時、これまでにない色と柔らかさをしたウンチが出たことがあったのです。(食事中の方ごめんなさい)

 

「赤ちゃんの体調が悪いのかなぁ・・・」「でも、顔色は悪くないし」「寒いのかなぁ・・・」などと悶々と考えましたが、初めてのことはわかりません。ネットで調べては見るものの、実際に赤ちゃんの状態やウンチを見ているのは自分だけなので、不安はなくなりません。その時に、同じ状況を見ながら話せる妻の存在の大切を痛感しました。

 

第一子の初めての育児なので、新米夫婦ではわからないことだらけです。赤ちゃんを一緒に観察しながら、「泣いているのは、お腹すいているからじゃない?」「この前はこれくらい授乳したから、今回は足りていると思うけど」などなど、対話できる時間が本当に大切で、不安を取り除くのに大きく寄与しました。「観察」と「対話」の大切さを実感しています。

 

また、夫婦の対話の時間を大切にすることにより、育児に限らず、お互いのスケジュールについて共有したり、夫婦共通のタスクについても話し合うことが自然とでき、ミスや問題が起こりにくくなりました。

 

ここまで聞いて、「対話ってしていると思うけどなぁ」というパパさんに向けて、さらに意識してみてください、ということで 一つ関連したデータをお見せします。

 

私の友人の吉岡マコさんがやっている「NPO法人マドレボニータ」の「産後白書」にのっているデータですが、「出産後、夫との会話の時間は?」という問いに「増えた」と答えた人はわずか15%です。それに比べて「減った」と答えた人は40%。対話が必要なタイミングに、逆に減ってしまっていると感じているママが多くいます。

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また、「夫との会話の満足度は?」という問いには、「足りない!もっと話したい!」と回答しているママが48%もいます。「量、質ともに満足」はわずか8%です。

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あと、夫婦の対話のコツについても簡単に記載したいと思います。私は過去に少しですが、脳科学の勉強をしたことがあるのですが、男性脳と女性脳で気持ちいいと感じる対話の仕方が違います。これを踏まえて対話しないと、対話をすればするほど、ケンカが増える、なんてことになりかねません。

 

男性の対話の特徴は、「課題解決したくなる」「結論を導きたい」「話の軸を分けて整理したくなる」ということがあります。当然そうでない人もいると思いますが、私はしっかりこのタイプです。

 

女性のほうは、と言うと、「ただ聞いてほしい」「話しに共感してほしい」「話が飛んでも気にしない」ということがあると思います。ですから、男性が、「今、話が飛んだよ」「まず、言いたいことを先に言って」「(話を遮って)ようするに、こうするから悪いんだよ。こうするのが正解だよ」などと言おうものなら・・・ドカーン!ただでさえ育児で疲れていて、話したいたくさんある中で、このやりとりをしてしまうと、地雷を踏んでしまうかもしれません。

 

できる限り、【ママの話したいように、話したいだけ、共感しながら聴く】ことが、パパができる対話のコツと思います。

 

そして、もう一つ、意識していることは、 何か夫婦で過ごしているとき「違和感を感じたらすぐに言う」ということです。私は、何か違和感や納得いかないなどのことがあるとすぐに言うタイプなのですが、妻は溜め込めて我慢できてしまうタイプなのですが、そうすると結局は後から爆発してしまう可能性を高めてしまいます。それだと解決を難しくしてしまうので、私は「何か違和感を感じたら、原因や言葉にできなくてもいいから、『違和感ある』と言ってね」と伝えています。「問題が大きくなる前の小さい時に解決する」。これも効果が高いと感じています。

 

あと、夫婦はお互いに「自分が気持ちいいと思うコミュニケーション」をしています。これが落とし穴で、自分が気持ちいいコミュニケーションは、「相手が気持ちいいとは限らない」ということです。これがきっかけで、私たち夫婦も数々のケンカをしました。しかし、お互いのコミュニケーションの癖や理由がわかれば、すっきりと仲直りできますし、同じケンカは起こりにくくなります。「夫婦はわかりあえない」で終わらせずに、粘り強く探っていくことが大切と思います。この辺りに興味ある方は、男女脳の違いが書かれた本や、深く対話の勉強されたい方には「NVC(非暴力コミュニケーション)」というの本がおすすめです。

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長くなりましたが、一つ目の夫婦円満の秘訣は【夫婦の対話】でした。

 

そして、二つめは、【感謝】です。これは、育児中に限らず、夫婦が生涯、大切にしたほうがいいことは言わずもがなですね。

 

シンプルに言えば、「感謝を伝える」ことです。

「いつも子どもを見てくれてありがとう」「お料理してくれてありがとう」「体調を気にかけてくれてありがとう」などなど

ママに伝えてますでしょうか?

 

照れくさいというパパは多いとは思いますが、ママが心から聞きたい言葉は「ありがとう」ではないでしょうか。(実際にはママさんに聞いてみると良いと思います)照れくさくとも、ちょっと頑張ってでも、伝えたほうがいい言葉だと思っています。(私も始めは照れくさい時もありましたが、慣れると自然になります)

 

視点を変えて、感謝の気持ちが出にくい「心の状態」とは、どういう状態でしょうか?自分に余裕がなかったり、ストレスが溜まっていたり。この辺りはイメージしやすいと思います。反対にイメージしにくいですが、とても重要なものがあると思っています。

 

それは、「当たり前と思わない」ということです。

ママがやっている行動や言動を「当たり前」と思ったら、感謝は生まれてきません。逆に「当たり前ではない」と思ったら、どんなことでも感謝の気持ちが出てきます。

 

ママが、子育てして、料理して、掃除して、洗濯して畳んで、買い物して、等々が、当たり前と思っていませんか?

と同時に、仕事をしているパパさんは、「仕事いつもご苦労様」「ありがとう」とママに言われたら嬉しいですよね。

 

夫婦ともにやっていることは「当たり前ではない」。

そう思うことで、自然と感謝の言葉が出てくるようになってくると思います。

 

また、感謝の効用は、言われた側のママだけのものではありません。感謝をするパパ側にも恩恵はたくさんあるのです。心理学では、感謝をよく示す人ほど、落ち込んだり、不安になったり、孤独を感じたり、嫉妬したり、ノイローゼになりにくいことがわかっています。

 

そして、もう一つ、夫婦が仲睦まじくする秘訣で「感謝」を出した一番の理由は、感謝には「快楽順応」を防ぐ効果があるからです。「快楽順応」という言葉に出会ったのは、2012年。「幸せ」をテーマにした「happy -しあわせを探すあなたへ」という映画を観て、カリフォルニア大学の心理学教授の「ソニア・リュボミアスキー」さんのことを知りました。そして、彼女の著書「幸せがずっと続く12の行動習慣」という本を読み「快楽順応」を知ったのです。せっかくなので、そのページをそのまま引用します。

 

人間は知覚の変化や生理学的な変化に、驚くほどすばやく慣れてしまいます。たとえば、厳しい寒さの戸外から室内に入ったとき、パチパチ音をたてて燃える暖炉の火のぬくもりは、最初のうち天国のように思えるでしょう。でも、たちまちそれに慣れてしまい、暑すぎるとさえ感じるようになるかもしれません。このような経験は、「生理的適応」や「感覚順応」と呼ばれています。

 

「人間は慣れてしまうもの」とはいいましたが、同じ現象でも、転勤や結婚、転職など快楽にともなった変化が現れてると、前よりも幸せになれるかもしれません。しかし、じつはその効果もごく短い間だけです。

 

<中略>

 15年にわたって毎年、国民や移民、外国人も含めて西ドイツと東ドイツに住む2万5000人の人々を調べてきた画期的な研究があります。その研究によると、そのうち1761人が結婚し、結婚生活が続いています。

 

この多くのデータを用いて科学者たちが証明したのは、「残念ながら、結婚が幸福に与える効果は一時的なものにすぎない」ということでした。結婚後、夫婦が前よりも幸福に感じる期間は約2年で、そのあとは通常の幸福度、つまり彼らの設定値へ戻っていくだけです。

 

いかがでしょうか?私は読んだ時に目からウロコがぽろぽろと落ちました。

つまり、私たちは、意識していないと「辛いこと」、「幸せなこと」のどちらにも慣れてしまい、気がついたらそれが普通、当たり前の状態になってしまうのです。

その「快楽順応」を防ぎ、抗うのが「感謝」なのです。

 

そして、ここで一つ、私が妻に感謝する機会としてつくった仕組みをご紹介します。それは「毎月の結婚記念日」です。私たち夫婦は、一ヶ月に一度、お互いに感謝しあう機会として、また二人の時間を大切にする意味でも毎月、結婚した日と同じ日を記念日として、その日は外でお食事をしたり、妻が行きたい場所に行ったりしています。

 

参考までに、これら「幸福」に関する学問は「ポジティブ心理学」という分野です。その入門編としても「幸せがずっと続く12の行動習慣」はおすすめです。

 

幸せがずっと続く12の行動習慣

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ようやく最後、【スキンシップ】です。

 

スキンシップ。これまた大切なことですが、日本人には少し馴染みがないかもしれません。

 

相手がスキンシップを好きか否かも大切なのですが、それは今回は脇に置いておきます。

スキンシップは、実は脳科学の観点からもとても大切な行為なのです。スキンシップをすると、脳からホルモン物質の「オキシトシン」が出てきます。これは別名「愛のホルモン」とも言われていて、「愛情」や「信頼」といった感情を呼び起こし、「夫婦や親子を強く結びつける」効果があります。オキシトシンは、分娩や授乳の時にも多く出ますが、キスやハグでも出てきます。

 

私が「オキシトシン」を知ったのは、2014年6月15日 放送のNHK「サイエンスZERO」です。番組の中で、オキシトシンを吸った男女が、ケンカをしても素早く仲直りしていました。さらに、なんとパートナーの「浮気防止」にまで効果あるのです。これは本能の強い男性に朗報ではないでしょうか(笑)。番組の実験では、結婚している男性が、知らない女性と向き合って立ち、女性が徐々に顔を近づけてくる中で、違和感がある距離になったら知らせる、というものでした。

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その結果、オキシトシンを吸った男性は、吸っていない男性に比べて、女性との距離を広くとっていたのです。つまり、信頼関係があるパートナーと、部外者を見分ける作用がオキシトシンにはあるということです。

 

また、オキシトシンには、恐怖や不安を取り除き、ストレスを制御しリラックスする作用がありますし、育児中なら母乳の出も良くなります。いいことだらけのこの物質。スキンシップから分泌されるので、ぜひ意識されてみてはいかがでしょうか。

 

Youtubeを探してみたら、そのNHKの映像(約30分)がありましたので、ぜひご覧ください。


NHK サイエンス ZERO 「心と体を支配する!神経の物質ホルモン オキシトシン」 - YouTube

 

さて、夫婦が仲良く幸せに過ごすために、私が意識している3つの秘訣。いかがでしたでしょうか。

 

「夫婦の対話」「感謝」「スキンシップ」

 

私もそれぞれ「できている」とは到底言えず、今後も長い目で実践し続ける中で、夫婦仲睦まじく過ごしていけたらいいなぁと思っています。また、私の思う仲睦まじい夫婦は決してケンカしない夫婦ではなく、ケンカはあってもそれを糧にお互いのことをよく理解し、より良く共に成長していける夫婦です。後は、「笑い」「ユーモア」は大切だなぁとも。

 

最後に、私が子どもの時から憧れている夫婦像があります。

それは、「チャーミーグリーン」のCMです。

 

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描かれているのは、お年寄りになっても、手を繋ぎ続ける仲良い夫婦です。

そんな夫婦になれたらと、先は長いですが、自然体で頑張っていきたいと思います。

 

そういえば、手を繋ぐのもオキシトシンが出ますね。「夫婦の仲が良いから、手を繋ぐ」ではなく、「手を繋ぐから、夫婦の仲が良い」とも言えるかもしれません。

 

長々と書いてきましたが、一つでもパパさんやプレパパさんの気づきや学びになれば、幸いです。

ではでは~。